ディズニーの、インサイドヘッドという映画、ご存じでしょうか?
人間の感情を擬人化して、ある女の子の頭の中を「司令部」として描くストーリー。
感情を操るのは、ヨロコビ、カナシミ、イカリ、ビビリ、ムカムカの5人。
その名の通り、ヨロコビは嬉しい感情を、カナシミは悲しい感情を司っているのですが、
この二人は正反対なので、ヨロコビはカナシミのマイナス思考が理解できません。
ヨロコビはカナシミが司る時間を少しでも減らして、主人公の女の子を幸せな気持ちでいっぱいにしたいと思っています。
カナシミなんていらないと思うことも…。
たしか、そんなあらすじだったような。
たしかにね、見ていると、ちょっとイライラするくらい、カナシミはマイナス思考なんです。
もう!なんで全部そんな風に捉えちゃうの!?みたいな。笑
ポジティブ思考のヨロコビが理解できなくて、排除したくなるのもわかるな、というくらいの。
でも、最後まで見るとこの物語、カナシミもとっても大事なんだっていうメッセージが込められているのがわかります。
人間の感情は複雑で、どれかひとつが欠けても正常に働かないのだと。
なんかこれ、とっても納得感あるなあ、って思って、私は見ていました。
悲しいという感情は、ないに越したことはないけれど
でもどんな人も必ず、通らないといけないこと。
ここからは、完全に個人的な考えです。
悲しい時にはとことん悲しむ、
凹むときには凹む。
そんなことが、認められにくい世の中だな、って、最近思うんです。
ポジティブが正義、何でもプラスにとらえることが幸せ、のような風潮だな、と。
たとえば悲しいことがあったとなれば、すぐさま励まして、上を向かせようとする。
マイナスの出来事は、どうにかしてプラスの解釈に変えようと促す。
まるで悲しんでいることが、悪いことというみたいに。
私自身、ものすごく悲しい出来事があったとき、言われたことがあるんです。
「乗り越えられる人にしか試練はこないんだよ」みたいなこと。
正直言って、その言葉をすぐには受け止められなかったですね。
今無理に引き上げようとしないでよっていうのが、素直な感想でした。
今は悲しませてほしい、と。
無理に涙を止めさせるのはやめてほしかった。
一緒に泣いてくれるまでいかなくても、悲しいという感情を出すことは、許してほしかった。
その時私に必要だったのは、励ましではなくて、寄り添いでした。
きっと、最終的にはポジティブで終わるのがいいと思うんです。
どんな解釈をしても起きたことが変わらないんだったら、プラスの解釈でいたほうがいいに決まってますからね。
でも、時期は見ないといけない。
感情に向き合う時間もないまま、
「これでよかったんだ」とか
「きっとこの経験でもっと強くなれる」とかいう前向きな言葉で無理に押し込めることなく、
マイナスな感情も受け入れたい、受け入れてほしい。
そんなことをふと思った秋の夜でした。
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