先日、こんなツイートを目にしました。
年収が他に類を見ないほど高いキーエンス。
平均35歳で平均給与2000万円だそうですよ!
そんなキーエンスの就職面接で聞かれる質問と、
模範回答(といったらいいんでしょうか…)をシェアしてくださったツイートです。
現在新幹線で大阪から東京に出張してる。
もしあなたが飛行機利用を売り込むなら?時間は30秒で返答必要。
30秒で返答!
こう言われたら焦りますね。
もしまだ回答をご覧になっていない方がいましたら、
是非考えてみてください。
タイトルが「リクルート」なのになぜキーエンス?と思った方。
まあ少しお待ちくださいな。
まずはこれ、やってみてください。
時間は30秒です!
どうですか?
思い浮かべました?
では模範回答です。
🚩415名😊皆様感謝!
正解は「そもそもなんで新幹線を使ってるのですか?」と聞き返すです。2次試験の重苦しい雰囲気で面接官に質問返し、ニーズを聞き出す。
✅相手のニーズを探る営業センスがある
✅ハッタリでも強気でいけるメンタルの強さこの2点が評価されるそうです。
なるほど!でした😂
— もみあげ🇺🇸 米国株投資 (@momiage0088) July 1, 2019
模範回答は、
なぜ新幹線を使っているのかと聞き返す
でした。
どうでした?
同じ回答の方いらっしゃったら、
キーエンスに入社できるかも!(年収2000万円…!)
ちなみに
私が考えたのは、
「新幹線よりも飛行機の方が時間を有効的に使えることをアピールする」かな。
でした。
でもこんな答えありきたりすぎる…絶対違う…
そう思いながら、時間制限の中ではこれしか出てこなかった…
面接の緊張した雰囲気だったら、
もっとしょぼい答えしか思いつかなかったかもしれません。
所詮、凡人ですわ…笑
で、思い出したことがあって。
リクルートで働いていた時、
そういえば同じような営業手法を取ってたな、ということです。
この手法はすごく納得感のあるもので、
いつかアウトプットしたいと思っていたのでこの機会に記事にしてみました。
営業職の方
リクルートの手法を知りたい方
是非読んでみてください。
バラしても怒られない…はず!
結論から
先に結論から言います。
私が所属していた時代の接客の肝は、
・カスタマーの「不」を徹底的に聞き出すこと
・信頼を獲得して話してもらうこと
の2点でした。
くわしくお話ししますね。
カスタマーの「不」を徹底的に聞き出す
ご存知の方も多いと思いますが、
リクルートは就職、結婚、住まいなど様々な領域に展開していて、
私はその中の住まい領域にいました。
広告代理店ですので、基本的にBtoBの会社です。
しかし、私がいたところは珍しくBtoCの部門でした。
要は接客が仕事。
来店したお客様に徹底的にヒアリングして
自分たちのサービスとマッチングさせるのです。
その時に最も意識されていたのがこれ。
カスタマーの「不」を聞き出すこと。
「不」というのは
「不便」や「不満」、「不安」のことで、つまりお困りごとですね。
来店誘致型だったので、
お客様は必ずこちらが打った来店誘致広告の“何か”を求めて来店しているはず。
という仮説に基づいて
その“何か”を徹底的にあらゆる方向から聞いていきます。
それがお客様のニーズだからですね。
ニーズは簡単には明かしてくれません。
ご自身で気づいていないケースもあります。
そこで手段として用いるのが
“なぜ”の問いかけと回答の深堀です。
ここが先述のキーエンス採用試験と似ているな、と思ったところです。
もしかしたら営業ならば、
どこの会社も似たようなことはしているかもしれません。
ただ少なくとも銀行員時代は、こんな営業の仕方は聞いたことなかったな…。
ニーズ云々ではなく、とにかく売る!みたいな。
魅力的な売り文句をたくさん習得していた気がします。
でもリクルートでは売る前に、ヒアリングすることに重きを置いてました。
接客で私が習ったのは、
「お客様の一回答につき3回なぜと聞こう」でした。
たとえば。
家が欲しいお客様にこう聞きます。
「どうして家が欲しいんですか?」
それに対して
「子供が生まれたから」と答えが返ってきたとします。
普通にしていれば
「そっか、家族が増えると家が狭くなるしな。物音とかも気になるし賃貸だと大変だろう」
みたいな察しをしがちですが、
“察し”は完全に排除します。
一回答につき3なぜですから、
→今の家が手狭になってきたからです
→物が増えて収納がなくなってしまったからです
→子供の成長を見守れて、いつでも帰ってこれる実家を作ってあげたいんです
みたいな流れになります。
ここまで深堀すると、自分では想像できなかったお客様のニーズが出てくることがままあります。
上の例で言うと、
一つ目の問いかけで終わっていたら、
三つ目の「いつでも帰ってこれる実家」というフレーズは出てこなかったはずです。
これがお客様の購買行動の理由になりますから、
実はかなり大事なことです。
あ、ここに困ってたんだね。
とか
これが不安で話を聞きに来たのね。
みたいなことが顕在化する。
ニーズを把握するために
自分の思い込み、先入観を排除してとにかく事実を正確につかみにいく
これをとにかく追及していたような気がします。
「不」を聞き出すための戦術
正確な事実の収集のためには、
聞くスキルのほかに
“話してもらう”スキルも必要です。
聞いてすぐに何でも答えてくれるお客様ばかりではありません。
あからさまに壁を築いて答えてくれない方
適当に答えて真実を教えてくれない方
色んな方がいます。
その色んな方に信頼してもらい、事実を話してもらえるようにするために、
お客様のタイプ別に接客を変えたりもしていました。
リクルートに入社すると必ず受ける研修で、
タイプ別4象限に分けてそれぞれに適した対応を学ぶものがあるのですが、
それを参考にしながら。
リクナビネクストのサイトに、それぞれのタイプと見分け方、
文末のリンクからはタイプ別の対応方法まで書いてありますので、
ご興味のある方はどうぞ。
私が働いていた時は、
この4象限がもう社内共通言語になっていて、
このお客様はエク(Expressive)っぽいからこうする、とか
ドラ(Driving)っぽいからこうした方がいいかも、
というような作戦会議をして接客を進めていました。
それぞれのタイプで、「こういう対応をしてくれた人に信頼を置きがち」
という分析結果があって、
それが意外とあてはまるのです。
もちろんこれがすべてではありませんが、
お客様の話し方や仕草を観察して
それぞれに合わせて接客をすることは心がけていました。
あとはトレーニングするのみ
ここで話した以外にも細かいテクニックはたくさんありましたが、
ベースになったのは今お話ししたこの二つ
・なぜと深堀してカスタマの「不」をつかむこと
・話してもらうための信頼獲得
だったと思います。
でもですね、
これ、めちゃくちゃ難しいんですね。
頭ではわかっていても、
どうしても先入観で判断してしまう。
「なぜ?」としつこく聞くことに躊躇する。
それによって、核をつかめない。
ニーズをつかめてないからうまく自社サービスとマッチングできない。
だからですね、とにかくやるしかないんです。
ひたすらロープレ→接客→振り返りの繰り返しでした。
このPDCAぐるぐる→成功体験の横展開
の速さは
ものっすごいなと思いました。
化け物みたいな成約率のプレーヤーが
続々現れるわけですよ。
たぶん、今はもっと進化したスキームができているでしょうけど、
この基本の要素二つは不変な気がしています。
まとめ
・なぜと徹底的に深堀してカスタマの「不」をつかむこと
・話してもらうための信頼獲得
→あとは身に着くまでひたすらやる
以上が私がリクルートで学んだ営業の基本でした。
ご参考になれば!
とにかく1カスタマにかける熱量は強かった!
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