11人の投資家さんに聞いた、
「一括で50万円投資できるお金があったら何に投資する?」
第4弾です!
これでいよいよ最後となりました。
シリーズ記事最後のご紹介は、個別株に投資するとお答えになったお三方。
個性あふれる銘柄選定理由まで、ぜひご覧くださいませ!
早速どうぞー!
※個別株の状況は日々変わるため、最新情報はご自身でご確認ください。
ご紹介の内容は取材日(7月中旬ごろ)現在の状況で投資家さんたちにお考えいただいたものとなります。
配当金と優待で日々の生活を豊かに:平太郎さん
50万に合わせると、銘柄はオリックス、ビックカメラ、コメダ珈琲の3社を100株ずつ購入します。
コロナ暴落時でも、株主第一の考え方の企業を選択しました。
特にコロナの逆風の中でも優待拡充を発表したコメダ珈琲。
配当性向をあげても、配当金を出すと約束したオリックスは株主還元を第一に考えていると思います。
持論として、投資は浅く・広く・長くすることが大切だと考えています。
そのため、100株ずつ異なる業種で3社購入としています。
3社とも株主優待を出しており、長期で持てば損はしにくいと考えます。
個人的には各株、現状「割安」と判断しています。
割安と判断した理由について。
オリックス、ビックカメラは、ここ4年〜5年程の中でも、最安値の水準まで落ちてきています。
コロナの影響をまともに受けた形です。
しかしながら、いつかは経済状況は戻ります。
「暴落から復活しなかった」ということは、 歴史上ないからです。
経済状況が戻るにつれ、株価も元の水準まで戻っていく。
そのため、現状割安と判断しています。
コメダに関しては、はっきりとした経営戦略や、営業利益率の高さから、適正価格は上と判断しています。
期間については、長期で持つことを前提として考えています。最低でも5年は持ちたいです。
戦略としては、インカム、優待狙いというのが大きいです。
私の投資目的は、日々の生活を配当金や優待で豊かにすることだからです。
長く保有し、優待や配当金を貰い続け、生活費を削減し、たまには贅沢をしながら、余剰分をさらに投資に回していくというスタイルです。
投資目的がはっきりしているからこそ、
ブレずに銘柄も探すことができるのだと思います。
最後の一文に共感される方は、参考になると思います!
情報収集力と分析力を活かした独自の銘柄選定:おけいどんさん
50万円今から投資するとしたら…マイクロソフトやVISAという回答では面白みに欠けますね。
僕らしい銘柄を僕の投資先から選択します。
結論から言うと、
TSM(TSMC/台湾セミコンダクター)とBCE(カナダ通信大手)に25万円ずつ投資します。
どちらもADR株がニューヨーク証券取引に上場しています。
なぜその二つを選んだのか、それぞれお話しします。
■TSM
投資理由としては、
①業界内シェアの高さ
②突出した技術力
③優良な財務状態
④拡大するマーケット
の4つです。
①業界内シェアの高さ
ここは世界最大の半導体ファウンドリー(半導体受託製造会社)です。
分かりやすく言えば、自社製品を開発、製造するのではなく、
取引先より製造受託して半導体を製造しています。
受託先は、クアルコム、AMD(アドバンスト・マイクロ・デバイセズ)、NVIDIA、Apple、Teslaなど、世界中の数百社で、半導体ファンドリーの世界シェアのうち、TSMは実に52%(2019年実績)のシェアを占めています。
②突出した技術力
インテルやサムスンよりも優れた技術を持っています。
TSMは、半導体の小型化・軽量化・微細化・高機能化を可能とする高い技術力を有して、世界の半導体の最先端にいます。特に、半導体回路の微細化では他社の追随を許しません。具体的には、5ナノクラスの半導体の量産化に成功しているのは同社だけです。
この先、2022年〜2023年頃に3ナノに移行、2025年頃には2ナノへと移行することが期待されています。
③優良な財務状態
自己資本比率は高く71.25%です。自立成長に必要な資金は、全て内部留保から捻出しています。
④拡大するマーケット
半導体は間違いなく需要が伸びていきます。マーケットが拡大します。自動運転、クラウド、5G、データセンター、スマホ、タブレット、IoT、AIなど、半導体を必要とするものをあげるときりがありません。
というわけで、高いマーケットシェア×拡大するマーケット+優良な財務基盤という計算式から、株価成長が期待できます。さらには、配当利回りが2%程度あります。増配も継続しています。
よって、インカムを得ながらもキャピタルが狙える貴重な銘柄です。
マイナーに思われそうですが、世界の時価総額ランキングでは、
瞬間的にではあるものの10位にまでなった銘柄です。
(近頃株価がものすごく上がっています)
サムスンは15位、インテルは23位、NVIDIAは25位です。日本のトップであるトヨタは46位です。
世界規模で見れば決してマイナーではなく、大変メジャーな投資先であることが分かります。
最後に、デメリットとリスクを上げておきます。
デメリットは、台湾の配当課税が21%と高いことです。リスクはチャイナリスクと米中貿易摩擦でしょう。ただ、米中貿易摩擦については、ファーウェイとの決別およびアメリカに最先端工場を建設ということで、アメリカサイドに着くことで、解決する方向に見えます。
TSMへの投資ストーリーが崩れない限りは、長期保有です。配当金を得ながら、株価成長を眺めます。
■BCE
投資理由は、増配&高配当株だからです。
BCEは、カナダの通信大手です。
インフラ企業ですので、投資先として手堅いと思います。他の通信企業同様に高配当株です。
かつ、増配株でもあります。
株主還元に積極的で、この12年間は毎年増配しています。
その原資を確保するために、キャッシュフローを増やすべく、多くの買収を行ないました。事業の多角化により、売上も利益も増加しています。
株価は、2012年以降では、概ね40〜48米ドルのボックス圏で動いています。直近はその底値付近をうろついており、投資チャンスと思います。
(リアルでも追加投資しました。)
リスクは、価格競争です。この1年間で実際に、無制限データプランの競争が生じたことを嫌気して株価が下げることもありました。過去に、アメリカで、「無制限データプラン」の導入を発端に、通信大手各社の業績が悪化して株価が急落し、立ち直るのに1年を要した経緯があります。日本でも政府の値下げ圧力から通信各社の株価が低迷して、戻るのに1年を要したことは記憶に新しいですね。
カナダでも同じことが起こるかも知れません。
投資期間は、増収増益で増配というストーリーが崩れない限りは、ホールドします。成熟化して増配がなくなろうとも、高配当である限りはホールドします。
BCEからはガッツリ配当金を、TSMからはインカムを貰いながらもキャピタルを狙う、そんな感じですね。大枠では高配当投資となります。
どちらも聞いたこともない銘柄…
おけいどんさんは14か国にも投資されているとのことですし、
どんな風に銘柄を探しているのか?疑問に思ったので聞いてみました!
僕はありとあらゆるチャンネルを使って情報収集しています。
投資セミナーは、コロナの影響からストップしていますが、それまでは毎週のようにどこかのセミナーに出席していました。
野村證券、大和証券、アイザワ証券、日興証券、岩井コスモ証券、三井住友銀行、三菱UFJ信託銀行などです。それぞれに特長があります。例えば、アイザワ証券はアジア株の情報に長けています。岩井コスモ証券は、米国の新しい株に長けています。
探求心と分析力の賜物、ということですね…
もっともっと詳しくお聞きしたいところですが、文字数の関係もありここまで!
詳しく知りたい方はブログやTwitterでご覧になってみてくださいね。
今回の銘柄分析をした記事はこちら。
日本のネットネット株に分散投資:ポンチ熊さん
好みのネットネット株3-4銘柄くらいを購入し、eMAXIS Slim オール・カントリーと勝負します。
ネットネット株なんて初めて聞きました💦
調べてみると、“ベンジャミン・グレアム氏が提唱した考えで、著書『賢明なる投資家』によると正味流動資産を持ち、さらに資産価値の3分の2で買える株”とのことです。(わかったようなわからないような…( ;∀;))
後で出てくるポンチ熊さんが参考になさっているというサイトにも出てきますので詳しくはそちらをご覧ください!
期間は30年くらいのスパンで。
本日(7月15日時点)の株価水準で購入するなら
・【3952】中央紙器工業(100株)
・【7925】前澤化成工業(100株)
・【4231】タイガースポリマー(300株)
・【9402】中部日本放送(200株)
に分散します。
上3つはネットネットな応援したいモノづくり企業、4つめは不動産にも強いインフラ系ネットネット企業(表面上は買収防衛策無し)としてです。
ちなみに少しだけ語ると
・中央紙器工業:トヨタ系列の名証単独上場。トヨタ向けが中心だけど、強化段ボールに強味あり。コンシューマ向けの段ボールハウスなどの分野での期待アリ。超財務優良企業のひとつ。
・前澤化成工業:今後の日本を支える水道関連銘柄。塩ビチューブに強味あり。上下水道・トイレ関連施設等。国土再強靭化関連でも期待。
・タイガースポリマー:ホンダ系列の樹脂メーカー。日本の基幹産業の自動車部品メーカーとしての顔もありつつ、ホース・水道のパッキン・排水管など、やはり水関連企業としての顔もあり、将来も期待。
・中部日本放送:名証単独上場。日本初の民間ラジオ局として開設され、事業運営もチャレンジングな内容多し。名古屋都市圏に強味を持つ不動産事業者としての顔も大きい。
これまたニッチな企業ばかり!
ポンチ熊さんにも、どんなふうに銘柄を見つけているのかお聞きしてみました。
上に挙げた企業はいわゆる『ディープ・バリュー』と呼ばれる企業で、東証でも2部、名証、JASDAQなど、機関投資家や投信、あるいは外国人の買いが入りにくい企業の中からスクリーニングしています。 実質的な資産価値が株価を割れている銘柄をスクリーニングして、その中から興味のある企業に投資しています。
ただPBRや配当利回りだけを見ても分からないので、スクリーニングとしては下記のサイトを見ています。
普段交流させてもらっている方のブログでも、銘柄スクリーニングをされているので参考にさせてもらっています。
スクリーニングで対象に入った企業の中からは、実際にその企業のホームページを見て、買いたいと思った会社を選んでいる感じです。
この話ももっとお聞きしたいところですが…
詳しくはぜひポンチ熊さんのTwitterやブログで!!
さいごに
今回は個別株に投資するとお答えになった方たちをご紹介しました!
私が不勉強な分野でもあり、お聞きしながら感服しきりで^^;
利益を得るのはもちろん、
こうやって分析しながら自分好みの銘柄を探すことができるのも
個別株の楽しみなのかもしれないな、と思いました。
さて、11人の投資家さんにお伺いしたインタビューはこれで終わりです。
ここで総括をさせてもらおうと思ったのですが、かなりのボリュームになってきたので
別記事にしたいと思います!
そして、みなさまのをお聞きしていたら、自分でも考えてみたくなったので
おまけに私の考えも書いてみようかな、などと…(*´∀`*)
ご興味のある方は、ご覧ください!
■ご協力いただいた方
・平太郎さん(30代、投資歴12年)@kabu_hei
→ブログ「平太郎ブログ」https://heitaroblog.com/
・おけいどんさん(40代、投資歴20年)@okeydon
→ブログ「おけいどんの適温生活と投資日記」 okeydon.hatenablog.com
・ポンチ熊さん(30代、投資歴7年)@ponchiwork
→ブログ「Anywhere Final Countdown」https://www.ponchi.work/
前回までの記事はこちら
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