Twitterをやってた頃、金融商品を銀行や証券会社の窓口で販売すること(いわゆる窓販)がたまに批判されることがありまして。
私はそこが古巣なので、そこで販売する側の想いを知ってる分、つい反論したくなってしまってたのですが。
振り返ってみれば、私は本やネットだけじゃなく、直接話せたから投資を始められたんだよなぁ、と思うと
やはり窓販もあっていいんじゃないか、と改めて思うのです。
窓口で相談できるメリットだってあるのよ。
銀行や証券会社の窓販が批判される理由って、だいたい一緒。
・お客様のためになってない
・本当にお客様のためを思うならコストの安いインデックスファンドなどを販売すべき
こんな感じ。
私も、この意見に同意する部分もあります。
資産運用を長期で続けていくなら、コストはとても大事。
それを商品ラインナップとして揃えきれなかったり、積極的に勧めない窓販を悪く言いたくなる人もいるんでしょうね。
でもね、メリットもあるんですよ。
・有資格者が法に基づいて販売している安心感
銀行や証券会社というのは、法でガチガチに固められた状態で金融商品を販売しています。
ご存知の方もいらっしゃるかと思いますが、
投資商品を窓口で販売するためには、「証券外務員」という資格が必要です。
私も持っていますが、これがまあまあ難しい資格でして。
銀行員時代、周りには何人も、落ちて受験して、を繰り返してる人がいました。
最終的にみんな合格するので超難関、とまではいかないですが、しっかりと、投資の基礎がわからなければ合格しない資格です。
投資商品の販売にはその資格を取った上、内閣総理大臣に氏名や生年月日などの届け出と登録が必要で、
そのうえ販売の時には「金融商品取引法」を遵守しなければなりません。
販売資料は事前に広告審査を受けたものだけしか使えない。
日経新聞の記事ひとつさえ、無断では使えません。
独自で作ったグラフや資料なんてもってのほか!
ネットでは普通に見かける表現でも、現場で使っちゃいけないものもあります。
販売時には説明しなければならない事柄のチェックリストをお客様と一緒にチェックし、同意の署名ももらいます。一つでもチェックが漏れると販売できません。
万が一それを守らず不適切な販売をすれば、訴えられたり、登録を取り消されたり。
結構リスクを背負ってて、だからこそ慎重に、販売しているんです。
顔と実名を明かした状態で、法律に基づいて販売している以上、
それなりに責任を持ってやっているはずです。
個人発信の危険性もある。
一方、個人発信は何のしがらみもノルマもない分、信頼性がありそうに見えて、危険な部分もあります。
基本的に、ネットや本の情報というのは一方向。
筆者・発信者が発信したいことをを受け取る、というもので、販売するために必要な事柄が全部網羅されているわけではありません。
つまり、発信者にとって都合のいいところだけを抜粋して伝えることもできる、ということ。
私も投資ブログをかなりの量読みましたが、
証券外務員が販売するときに説明する事柄を、全て記載しているようなブログは見たことがありません。(私が知らないだけかもしれないけどね)
Twitterのフォロワーが万単位でいるような、影響力のある人のブログでもそうでした。
YouTubeやブログなどの個人発信というのはその性質上、
都合のいいところだけ抜粋できて、それをチェックする人もおらず、
謝った情報を提供しても何の罰則もなくて、
都合が悪ければ消せばいい、というものです。
それは発信者が悪い、というよりは、個人発信って良くも悪くもそういうもの、と私は思ってます。
だから、それだけを信じるのは危険。
窓販のデメリットを指摘するブログにも、デメリットはあるのです。
ネットの良さ、対面の良さ、どっちも知って選んだらいいと思う。
それでもネットの良さももちろんあって、
気軽に色んな人の意見が聞けるし、中には普通に暮らしてたら出会えないような専門家もいたりします。
そんな人たちの意見を参考に、ネット証券で自由に取引するのもいいと思います。
でも、それだけが選択肢として正しいわけではないと思う。
私なんかはめっちゃ不安がりでビビりなので、
おそらく本やネットで一方通行に受け取る情報だけでは投資を始められなかったんじゃないかな。
直接話を聞いて、質問して、納得いくまで話して、
それから自分でも本を読んで情報収集して、自分でも続けられそうな、しっくりくる投資法が見つかったのでした。
私みたいなビビリ虫もいるんで、
対面販売(窓口販売)を選ぶことも選択肢としてあってもいいんじゃないかな、と私は思います。
何でもそうですが、これが正解、というのがあるわけではなくて。
メリットデメリットを知った上で、最終的にはそれぞれが決めればいいと思います。
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