11月8日、9日と、
二つのセミナーに参加してきました。
11月8日(金)はピクテ投信投資顧問主催feat.セゾン投信
11月9日(土)は東証とアクサ生命の共催
8日のはどちらかというと投資をすでに始めている人向け、
9日は初心者向け、というような内容だったと思います。
それぞれ2時間みっちり。
内容を詳細に振り返るとページがいくらあっても足りませんので、
ざざっと振り返るとともに、共通で話していたところをまとめておきたいと思います。
あ、ちなみに「セミナー資料は載せないでね♡」
っていう注意喚起があったので資料無しでお届けします。
空中戦でわかりにくいところがあるかもしれません。
ごめんなさい。
セミナー内容振り返り
ざっくり振り返ります。
11月8日「セゾン投信と歩む人生100年時代の旅」
ひとことで言うと、
セゾン投信の哲学を交えて、長期分散投資の大切さを訴える、
といった内容だったと思います。
日本とアメリカの金融資産内訳比率の差、
特に預金と投資が占める割合の大きさの違いを示し、
(※日本・預金:52.5%、投資:14.9%
アメリカ・預金:13.1%、投資:48%)
日本の預金金利は低下の一方であるのに預金残高はうなぎ上りであることから
貯蓄から投資へ、と目指したい姿との乖離について話がありました。
セゾン投信としての投資の考え方は
①長期投資→元本割れ可能性が低くなる傾向があるため
②積立投資→人は非合理的な行動をするから(高値圏で買い、安値圏で売ってしまう)
③国際分散投資→どのアセットが勝つのか予想するのは難しい=予想しない
それを裏付けるデータとともにお話をされました。
あと、セゾン投信の紹介をちょろっとだけ。
11月8日「育てる投資で差がつく、未来をつくる資産運用」byピクテ
「育てる投資」とは、
ピクテさんの資産運用設計の考え方
“お金のタマゴ”に基づいた言葉です。
資産を5つに分け、
①預金でなければならない資金
②欲張らない投資
③ちょっと欲張った投資
④育てる投資
⑤スパイス投資
と、優先順位は①から順番に考えていき、
それぞれ運用期間や投資対象を変えて資産全体を設計するという考え方です。
ピクテさんの本にも書いてあったとを記憶しています。
その中で今回のテーマは4つ目の、「育てる投資」についてでした。
(以前行ったセミナーで他の分野は扱われたそうです)
今の経済状況や、ピクテさんが用いている指標での分析、
GPIFの運用資産構成の推移などを引用したうえで、
「育てる投資」の基本は株式投資であるとの話。
なぜなら、「育てる投資」部分は
余裕資金での10年以上の長期投資が原則であるため。
たとえば米国国債で長期運用するとなると、
20年運用した場合、
利回りで受けられる収益よりも物価上昇率が上回る期間が発生してしまう。
米国株式であれば、過去200年さかのぼって、20年運用で考えると
マイナスになった期間はないとのこと。
また、インデックスで運用してしまうと、
投資に適さないような企業も含まれてきてしまうこともあるため、
ピクテでは優良企業への投資が
「育てる投資」の分野では適しているのではと考えていると。
優良企業の判断材料は
①豊富な資金力
②優れた開発力
③価格競争力
④ブランド力
⑤マーケティング力
を備えていること。
また、
①ROEが高いこと
②借金が少ないこと
③利益成長性が安定していること
とも仰ってました。
10年で見た時の投資リターンや
暴落からの回復が早いことが優良企業への投資の魅力だそう。
よって、ピクテとしてお勧めしているのは
アクティブファンド。
具体的には「iTrust世界株式」というファンドを
積立で購入することを勧めていました。
2016年2月設定。
ただ、資料では分かりづらかったので個別に質問をしたところ、
そこからの約3年間の数字だけでは、
インデックスをアンダーパフォームしているそうです。
飽くまで「育てる投資」枠の
10年以上の長期投資で自信を持って勧められるものだと。
ふむ。
11月9日「みんなで学ぶ、今更聞けないお金のはなし」by東証
最初に日本の現状についてお話。
①社会保障制度後退
②インフレ経済へ向かう??
③マイナス金利導入
この中でなぜ投資にお金が向かないのか。
金融庁のデータによると、
投資教育を受けている人:受けていない人=3:7
受けていない人のうち、金融知識を身に着けたいと思う人:思わない人=約3:7
教育を受けていない人のうち、
7割(つまり全体からすると約半分)は
投資や金融の知識さえもも必要ないと思っている。
つまり興味がないということ。
(金融庁のアンケートより)
まずは意識を変えていく必要があると言うことで
東証でも積極的にセミナーなど開催しているとのこと。
ここで言われていた“資産運用で大事なこと”は3つ。
①生活資金を把握し、
②万が一の際の準備資金(流動性重視)を確保
③ライフイベント資金準備
→毎月積み立て、目標最終積立額を試算し不足分を資産運用で補う、余裕資金で投資
投資を始めるタイミングとして最も多いのは
「余裕資金ができたとき」
いつできるかというとやはり現役世代であることから、
早めの開始がおすすめ。
ここまでが序章。
ここから第三章までそれぞれお話がありました。
第一章では「投資のきほん」として、債券とは?株式とは?分散投資とは?
など基本的なことをお話しいただきました。
分散・長期・積立投資の魅力についてもここで触れています。
第二章のタイトルは「株式って…?」
東証が主催しているということで、特定の株は勧めなかったものの、
株式とは、について成り立ちをはじめ、マーケットシェアについて、
株主になると得られるもの(キャピタル・インカムゲイン、優待など)の
紹介がありました。
第三章のテーマは「その他の金融商品」。
分散投資のひとつの方法として、
投資信託の説明。
投信の仕組みやインデックスFとアクティブFの違い、
ETFとは、REITとは、について簡単にお話がありました。
特に何を勧めているというわけでもなく、
投資を始めるにあたって、
基本的なことをしっかりとお話しくださった、という印象です。
色んなセミナーもやってるよ
11月9日「人生100年時代のお金の増やし方」byアクサ生命
最後にアクサ生命です。
私は警戒感MAXで臨んでしまいました。笑
絶対何かに誘導されるんだ…何に誘導するんだろう…
という好奇心もありました。
結果、あからさまな勧誘はなく、
要は「ライフプランの重要性」を説くセミナーでした。
女性向けのセミナーでしたので、女性の話を例に出し、
90歳までの生存率は50%、95歳までの生存率は25%であるという話から始まり。
その中で
①少子高齢化による社会保障費の増加
②低金利政策による運用収益の減少
に触れ、
経済的不安を解消するためには
①金融リテラシーの向上
②ライフプランの作成
が必須であると。
自分が想定するライフベントを人生の計画表に記入し、
必要な金額のシミュレーションをし、
問題があれば生活が破綻しないように手を打っていくことが必要、
ということでしたね。
そのためには長期分散積立投資が効果的。
ドルコスト平均法にも触れていました。
最後に、
資産運用も大事だけれど、
積立中に万が一(つまり世帯主の死)があった場合に
必要なこともあらかじめ計算しておこう、という流れに。
「事前の一策事後の百策に勝る」
との格言を引用して、
あらゆる事態を想定しておくことが大事だよね、と。
そこで必要なのはライフプランであると強調。
MCの方の後押しもあり、
アクサ生命でライフプランをつくるとこんなにいいことがあるよ、
このセミナー受講者は無料で作れる特典があるよ、
的なトークで、
あらかじめ配られた「個別相談申込書」に記入を誘導するものでした。
なるほど。
各セミナーに共通していたこと
各セミナーの共通項は、
今更言うまでもないかもしれませんが、
「これからの時代の資産運用の重要性」(社会保障費増、預金金利低下による)
と
「資産運用における基本は長期分散積立投資であること」
でした。
要は、今まで何となってたけど時代は変わったんだから
ちゃんと今から長期投資して備えましょうね、
ていう話だったかと思います。
これから資産運用を始めるなら、
まずは基本に忠実に積立分散投資、ということでしょうか。
ねこまにあ的感想
それぞれのセミナーの感想をざっくり述べるならば、
①セゾン→知ってることが多かった(実際セゾンのファンド持ってますし)
②ピクテ→話し方がわかりやすくて、会社のスタンスも素敵だった。魅力的。
③東証→基本的なことを教えてくれたね。うんうん。東証ってこんなこともやってんだー。
④アクサ→FPとライフプランめっちゃ強調するじゃん。
とこんな感じです。
ここからは完全に個人的な意見です。
個人的な意見ですよ?(二回目)
アクサ生命のセミナーについてです。
私はひそかに懸念しています。
FP=保険屋のイメージがついてしまうことを。
巷で流れる広告で、
FPに相談しよう!といった類のものは、
ほとんどが保険と結びついている印象があります。
FPに相談→ライフプランを設計してくれる→保険の話になる
こんな流れになっているような気がするのです。
人生における必要なお金をあらかじめ想定して、
試算して、
マイナスになりそうなら手を打っておく。
ここに保険という概念が入ってくる、というのはまだわかります。
ただ、
保険相談が主になる、ということは少し違うんかなと。
そういうFPに相談をすると、
運用手段も保険になります。
今だと外貨建てなんでしょうか。
トレンドはわかりませんが。
せっかくこういったセミナーで
投資に関しての意識や意欲が高まっている時に
個別相談=保険相談になってしまうことが
少し残念な気もしてしまうのでした。
トータルで提案してれば何にも問題ないですけどね。
保険会社に個別相談して投資信託を勧められることはないでしょう。
今回のセミナーで関心を持ってくださった方が
FPってつまり保険屋なんだ、
というイメージを持たないといいなぁ、
なんて密かに願ってしまうのです。
でもこれって、銀行の投信窓販と同じで、
仕組みから変えていくことをしないとなくならないんでしょうね。
だから、その仕事に携わっているFPさん全員を悪いと思ったり
保険全般がすべて悪いとは思っていません。
もしかしたら「中の人」も
何かしらモヤモヤしたものを抱えて仕事をしているのかもしれません。
ゆえに、FPの皮をかぶった保険屋さん、という在り方に
どうしても疑問を持ってしまうのです。
珍しく真面目に話して終わります。
銀行窓販も同じジレンマなのかな。
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