すごく、悲しいことが起きているんだ。
「また食べたい」と思えるくらい美味しいラーメンに、なかなか出会えない。
最近、ラーメンが食べれる機会があるときは、
なるべく新規のお店に行くようにしてるんです。
これは!と思うラーメンにまた、出会いたくて。
最後に出会ったのは、『嘉一』行った時でした。
ここは仙台でも有名店なので、
やっぱ人気になるってことは美味しいってことだよな!と思って、
仙台市内の有名店を巡ってもみた。
だし廊、
くまがい、
伊藤商店、
本竈。
それぞれ、美味しいとは思うんです。
でも、「また食べたい!」となるくらいではなかった。
そしてこの度、その壁をどうしても打破したく、
私的最後の砦、『渡辺』に行って参りました。
ここは、毎年年末にやる宮城ローカルのラーメンランキングで常に上位に入ってて、
私の中で「ここはめっちゃ美味しいところ」という印象がものすごく強いんです。
友人に聞いた時も「ここは美味しい」って太鼓判だったし。
でもちょっと遠いのと、行列必至らしく、時間に余裕がないとなかなか行けないなあ、とも思ってて、
最後の砦、かつ、なかなか辿り着けない壁、でもあったわけです。
ところが先日、平日のお昼に、ちょうど食べに行けそうな機会に恵まれて。
こんな機会、またとない!と思って、ついに馳せ参じた次第です。
14時半閉店のところ、着いたのは14時過ぎ。
もうピークタイムは過ぎたらしく、外の行列はなく、中で3人ほど待っている状態でした。
そしてちょうど出て行く人が連続して、席がすぐに空いたので
待ち時間はほぼゼロで案内されました。
ラッキー。
食券制なのですが、店員さんに渡す時「濃いめで」などと小慣れた感じで言う人が多く、
私は何がなんやらわからんまま、無言で食券を手渡します。
なんとも言えない、肩身の狭さ。
お前、何も言わず食券を渡すとは、さては新参者であるな…?と思われたかもしれない。
悔しい。
何か言えばよかった。
何がよかったかな。
うーん。
…
ここで考えても無駄じゃない?
行の無駄使いじゃない?
次に進もう。
ラーメン、来ました。
無言で注文したラーメン、来ました。
こちら。
麺が、太い!
食べます。
スープ。
うん、美味しい。
しょうゆ。
次は麺。
固くて、太い。いただきます。
うん、美味しい。
固くて、すすりにくいけど、美味しい。
美味しいよ。
美味しいけど…
そこまで…でも…ないかも…
これにちょっと絶望してしまいまして。
私的、最後の砦ラーメンが。
リピートしたいと思わないラーメンだなんて。
じゃあ次はどこに行けばいいんだっ!
どこに行けば美味しいラーメンに出会えるんだっ!!!
有名店はもちろん、住宅街に佇むような、こじんまりしたところもいくつか行ったというのに。
冒険も色々したというのに。
と、帰りの車で思いを巡らせてると、ふと恐ろしい考えがよぎりました。
「歳のせい…?」
まさか、ラーメンって、若くないと美味しいと思えないようにできている食物なのか。
確かに、
脂の旨味とか、今はあんまり受け付けなくなっているけど…
でもあっさりしたラーメンはあるよな?
はっ…!
『渡辺』で皆、注文時に口を揃えて言っていた「濃いめで」という言葉…
ワイには普通でも十分に濃かった…濃すぎるくらいだった…
濃い味がもう、ダメなのか…?
そして一般的に美味しいと言われるラーメンは、濃いのか…?
この仮説は、なかなか確からしい仮説である。
と、いうことは。
巷に溢れる“ランキング”や“口コミ”に流されず、
自分好みの味を探し続けるしかないのであるな。
そうか…そうなのか、パトラッシュ。
私は一度、絶望を味わった。
しかしその後、その事実と向き合い、
ついに、希望を見つけたのだ。
人の評価を信じず、自分の感覚を信じて
これからも私は、ラーメンを食べ続ける。
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